日産自動車は2026年7月16日、高級ミニバン「エルグランド」を2010年の発売以来16年ぶりにフルモデルチェンジし、E53型として発売しました。エントリーグレードの価格は689万7000円で、競合するトヨタ・アルファードのハイブリッドモデル(約662万円)よりも高く設定されています。全グレードに第3世代e-POWERと電動4WD「e-4ORCE」を標準搭載したことが、この価格差の背景にあります。
この記事でわかること
- 価格とグレード構成: 6グレード制で689万7000円〜869万8800円、全車に電動4WD「e-4ORCE」を標準搭載します
- なぜ高いのか: ガソリン車・2WDという廉価な選択肢を用意せず、大画面ディスプレイや先進運転支援を標準装備化したことが価格を押し上げています
- アルファードとの競合構図: 16年ぶりの刷新で、トヨタが独占してきたLサイズミニバン市場に日産が本格参入します
価格・グレード構成|6グレード全車がe-POWER+e-4ORCE
新型エルグランドは「e-POWER X」「e-POWER AUTECH LINE」「e-POWER G」「e-POWER AUTECH LINE “G-Spec”」「e-POWER AUTECH」「e-POWER VIP」の6グレード制です。従来の「ハイウェイスター」というグレード名称は廃止されました。全グレードに第3世代e-POWER(1.5L VCターボエンジンをベースにした発電専用パワートレイン)と電動4WD「e-4ORCE」が標準搭載されており、ガソリン専用モデルや2WD仕様の設定はありません。
グレード別の価格を整理すると、以下のようになります。
| グレード | 価格 | 駆動方式 |
|---|---|---|
| e-POWER X | 689万7000円 | e-4ORCE(電動4WD) |
| e-POWER AUTECH LINE | 717万9700円 | e-4ORCE(電動4WD) |
| e-POWER G | 757万9000円 | e-4ORCE(電動4WD) |
| e-POWER AUTECH LINE “G-Spec” | 778万4700円 | e-4ORCE(電動4WD) |
| e-POWER AUTECH | 824万7800円 | e-4ORCE(電動4WD) |
| e-POWER VIP | 869万8800円 | e-4ORCE(電動4WD) |
最上級のVIPグレードとエントリーのXグレードでは約180万円の価格差があり、装備の作り込み方によって選べる幅が広い構成になっています。具体的な見積もりの中身については、以下の動画でも紹介されています。
なぜアルファードより高いのか|16年分の装備を一気に積んだ代償
現行型(E52型)は2010年の発売以来、大きなモデルチェンジが見送られてきました。この間、トヨタは「アルファード」「ヴェルファイア」でLサイズミニバン市場をほぼ独占し、日産はこの分野で存在感を示せずにいました。16年ぶりとなる今回の刷新で、日産は妥協のない仕様に踏み切ったとみられます。
価格が押し上げられた要因としては、全グレードへの電動4WD「e-4ORCE」の標準搭載に加え、専用サスペンション、14.3インチの大画面ディスプレイ、先進運転支援システム「プロパイロット2.0」の標準装備化が挙げられます。ガソリンエンジン専用モデルや2WD仕様といった廉価な選択肢自体を用意しなかったことが、エントリー価格689万7000円という水準につながっています。
車体サイズは全長4,995mm、全高1,975mm、全幅1,895mmと従来型から拡大したと報じられていますが、日産公式の数値は本稿執筆時点で確認できていません(※確認中)。全幅の拡大について、自動車評論家の渡辺陽一郎氏は左側面の死角増加を懸念する一方、パワフルな1.5Lターボe-POWERと高性能4WDの恩恵は大きく、アルファードを超える価値を見出せる層がいると分析しています。
アルファード/ヴェルファイアとの徹底比較
新型エルグランドとアルファードの最大の違いは、電動4WDの標準搭載の有無にあります。エントリーグレード同士の価格を比べると、以下のようになります。
| 項目 | 新型エルグランド(e-POWER X) | アルファード(ハイブリッドZ) |
|---|---|---|
| 価格 | 689万7000円 | 約662万円 |
| 電動4WD標準搭載 | あり(e-4ORCE、全グレード) | − |
エントリーグレード同士の比較でも新型エルグランドの方が約27万7000円高く、電動4WDの標準装備化という判断が価格差に直結していることがうかがえます。2026年は新型ハイラックスなど他の主要モデルでも価格改定が相次いでおり、その動向は「新型ハイラックス2026年発売|価格・スペック・旧型との変更点まとめ」でも詳しく解説しています。
専門家評価とSNS世論|先行受注は好調、デザイン評価は割れる
クルマ評論家の大岡智彦氏は、高度な電動化パワートレインの採用に加え、前モデルの課題だった全高の低さが1,975mmへの拡大で解消されたことを評価し、プレミアムミニバンとしての存在感が再構築されたと分析しています。
先行受注開始直後のX(旧Twitter)では、2026年7月1日時点で「先行オーダーが4,500台に達した」とする投稿がインプレッション46万件超を集めるなど、大きな反響を呼びました(※このX投稿1件の情報であり、メディア報道による裏付けは本稿執筆時点で確認できていません)。実際に展示車・実車を確認したユーザーからは「E51を超えた」と高く評価する声がある一方、外装デザインについてはアルファードやヴェルファイアと似ており独自性に欠けるとの指摘もX上で見られます。専門家の評価がパワートレインや電動4WDなど中身の刷新に集中していることを踏まえると、外観面の印象は発売後の実車体験や時間の経過とともに変化していく可能性があり、現時点で独自性の有無を断定することは難しいといえます(編集部分析)。
日産の経営再建における位置づけ
今回のフルモデルチェンジは、単なる新型車の投入にとどまらず、日産の経営再建・電動化戦略における象徴的な位置づけを持っています。大排気量のV6ガソリンエンジンを廃止し、フラッグシップミニバンに第3世代e-POWERと電動4WD「e-4ORCE」を全車標準搭載したことは、電動化技術でブランド力を示す狙いがあるとみられます。
X上では、日産の営業利益が黒字化し、新型「キックス」と新型エルグランドの両方が好調な滑り出しを見せているとの指摘もあり、今回の刷新は経営再建の追い風という文脈でも注目されています。
📌 日産の新型車をまとめてチェックしたい方はこちら。
→ 【図解】日産新型キックス|ヤリスクロス比較と価格299万円の実力
納期・予約状況と今後の展望
先行受注は2026年5月28日に始まり、正式発売の7月16日を待たずに申し込みが集まっています。販売店への取材では、標準的な単色カラーであれば納期は3〜4か月程度である一方、2トーンカラーは約8か月程度かかる見通しが示されています。試乗車は7月下旬以降に順次配備される見込みです。
受注の内訳としては、現行エルグランドオーナーからの乗り換えが最も多く、次いでトヨタ・アルファードやヴェルファイア、ホンダ・オデッセイといった競合車種からの乗り換えが続いているとされます。16年間手つかずだったLサイズミニバン市場で、日産がどこまでシェアを奪還できるかは、今後の受注動向と納期の推移次第といえます。
日産新型エルグランドのよくある質問
新型エルグランドについて、読者からよく寄せられる疑問をまとめました。
Q. 新型エルグランドの価格はいくらですか?
A. 6グレード制で、エントリーの「e-POWER X」が689万7000円、最上級「VIP」が869万8800円です。全グレードに第3世代e-POWERと電動4WD「e-4ORCE」が標準搭載されています。
Q. 発売日はいつですか?
A. 先行受注は2026年5月28日に開始済みで、正式発売は2026年7月16日です。試乗車は7月下旬以降に順次配備される見込みです。
Q. アルファードとの違いは何ですか?
A. 新型エルグランドは全グレードに電動4WD「e-4ORCE」を標準搭載している点が最大の違いです。ガソリン車・2WD設定はなく、電動化技術を軸に差別化を図っています。
Q. なぜガソリン車の設定がないのですか?
A. 日産が電動化戦略の一環としてフラッグシップミニバンを刷新したためです。大排気量のV6ガソリンエンジンを廃止し、第3世代e-POWERに統一しました。
Q. 納期はどのくらいかかりますか?
A. 先行受注時点の情報では、標準的な単色カラーで3〜4か月、2トーンカラーは約8か月程度とされています。
Q. なぜアルファードより価格が高いのですか?
A. 全車電動4WD「e-4ORCE」の標準化に加え、専用サスペンション、14.3インチ大画面ディスプレイ、プロパイロット2.0の標準装備化が主な要因です。ガソリン車・2WDという安価な選択肢自体を用意しなかったことも価格を押し上げています。
価格や納期については販売店ごとに状況が異なるため、購入を検討する場合は最寄りのディーラーへの確認をおすすめします。

