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下妻市長選2026の結果|菊池博氏が9,444票で返り咲き、前市長急死の出直し選を1,738票差で制す

下妻市長選2026の結果|菊池博氏が9,444票で返り咲き、前市長急死の出直し選を1,738票差で制す

2026年8月2日、茨城県下妻市長選が投開票され、無所属元職で前市長の菊池博(きくち・ひろし)氏(64)が9,444票を獲得し、無所属新人で会社社長の井上誠(いのうえ・まこと)氏(57)を1,738票差で破って返り咲きを果たしました。この選挙は、2026年3月の市長選で菊池氏を262票差で破って当選した前市長・須藤豊次氏が6月に急死したことに伴うものです。わずか5カ月の間に同じ市で2度目の市長選が行われ、3月に敗れた側が戻ってくるという異例の展開になりました。この記事では、開票結果の数字、8月に選挙が行われた経緯、両候補が争った砂沼サンビーチ跡地と市民文化会館という具体的な争点を、確認できる事実に沿って整理します。

この記事でわかること

  • 開票結果:菊池博氏が9,444票(得票率55.1%)、井上誠氏が7,706票(同44.9%)で、票差は1,738票。投票率は52.79%、当日有権者数は32,820人でした。
  • 3月から5カ月での逆転:菊池氏は3月29日の市長選で須藤豊次氏に8,359票対8,621票、262票差で敗れています。今回はそこから1,085票を上積みして市長に戻りました。
  • 争点は2つの「箱」:2018年度限りで廃止された砂沼サンビーチ跡地の使い道と、2020年に閉館した市民文化会館の扱いが最大の対立点でした。菊池氏は1年以内に方向性を示すと主張し、井上氏はプール整備と会館の早期再開を掲げました。
目次

下妻市長選2026(8月)の結果|菊池博氏が9,444票で返り咲き

まず、2026年8月2日に投開票された下妻市長選の結果を数字で確認します。立候補したのは無所属の2人で、元職と新人の一騎打ちでした。

得票9,444対7,706、票差は1,738票

開票結果は次の通りです。得票率では菊池氏が55.1%、井上氏が44.9%と、10ポイント以上の開きがつきました。

候補者 年齢・肩書 得票数 得票率 当落
菊池 博 64歳・元職(前市長)/無所属 9,444票 55.1% 当選
井上 誠 57歳・新人(会社社長)/無所属 7,706票 44.9% 落選

投票率は52.79%で、当日有権者数は32,820人でした。告示日の7月26日時点で市が公表していた有権者数は33,241人(7月25日現在)です。前市長の急死という重い事情を抱えた選挙でしたが、投票率は半数をわずかに上回る水準にとどまりました。

3月の敗北から5カ月、1,085票の上積み

今回の結果を評価するうえで欠かせないのが、5カ月前の3月に行われた市長選との比較です。同じ市で、同じ人物が、同じ年に2度戦った結果が並びます。

項目 2026年3月29日投開票 2026年8月2日投開票
当選者 須藤豊次氏(新人・67)8,621票 菊池博氏(元職・64)9,444票
次点 菊池博氏(現職・63)8,359票 井上誠氏(新人・57)7,706票
票差 262票 1,738票
投票率 52% 52.79%
当日有権者数 32,887人 32,820人

菊池氏の得票は3月の8,359票から9,444票へ、1,085票増えました。一方、3月に須藤氏が集めた8,621票と比べると、今回の井上氏は7,706票で915票少なくなっています。投票率がほぼ横ばいであることを踏まえると、3月に須藤氏へ投じられた票の一部が今回は菊池氏側に回るか、あるいは投票所に足を運ばなかったという動きがうかがえます。ただし票の移動そのものは公表データからは追えないため、ここは推測の域を出ません。

Q. 菊池博氏の任期はいつまでですか。

A. 新たに4年間の任期が始まります。市長が任期途中で亡くなった場合に行われる選挙であっても、当選者は前任者の残り任期を引き継ぐのではなく、就任した日から4年の任期を務めることになります。したがって菊池氏の任期は2030年夏までとなる見込みです。

では、そもそもなぜ3月に選挙をしたばかりの下妻市で、8月にもう一度市長選が行われることになったのでしょうか。

なぜ8月に市長選があったのか|前市長・須藤豊次氏の急死

今回の選挙は、任期途中で市長が亡くなったことに伴うものです。時系列で追うと、下妻市が5カ月足らずのあいだにどれだけ急な変化を経験したかがわかります。

2026年3月29日
市長選投開票。新人・須藤豊次氏が現職・菊池博氏を262票差で破り初当選

2026年4月
須藤氏が下妻市長に就任

2026年6月15日
須藤市長が茨城県八千代町内で遺体で発見される(67歳)。県警は事件性は低いとみて調べている

2026年7月26日
市長選告示。元職・菊池博氏と新人・井上誠氏の2人が立候補

2026年8月2日
投開票。菊池氏が9,444票で返り咲き

3月の選挙から数えて、下妻市はおよそ4カ月で市長が2度替わったことになります。

3月29日、262票差の政権交代

2026年3月29日の市長選は、3選を目指す現職・菊池博氏と、元市議の新人・須藤豊次氏の一騎打ちでした。結果は須藤氏8,621票、菊池氏8,359票で、その差はわずか262票。得票率にすれば50.8%対49.2%という僅差での政権交代でした。有権者3万人規模の市で、300票に満たない差が市政の方向を決めた形です。

茨城県内では同じ2026年に、石岡市長選でも262票差という接戦が生まれています。詳しくは「【図解】石岡市長選2026結果|戸井田氏が262票差で初当選」でまとめています。

就任から2カ月での死去

須藤氏は4月に市長に就任しましたが、6月15日、茨城県八千代町内で遺体で発見されました。67歳でした。報道によれば、6月14日の夜から帰宅していないとして家族から届け出が出ており、県警は事件性は低いとみて調べているとされています。就任からおよそ2カ月という短さで、市政のトップが不在となりました。

この急死をめぐっては、インターネット上でさまざまな見方が出回りました。当サイトでは公表された事実と、確認できていない情報の線引きを「【図解】下妻市長・須藤豊次氏はなぜ死亡?排水路発見と憶測を検証」で整理しています。今回の記事では、選挙結果に関わる事実の範囲にとどめます。

(編集部分析)任期途中の首長の死去は、地方自治体にとって制度上も実務上も重い出来事です。市長の職務代理を置いて行政は止めずに回りますが、当選から就任、そして政策の実行に移る最も重要な立ち上がりの時期に指揮官が不在となれば、予算の執行方針や人事は事実上凍結されます。加えて、市長選をもう一度行うための費用は市の負担です。制度の是非を論じる前に、まず「4カ月で2度の選挙」という現実の負担を市民が負ったという事実は押さえておく必要があります。

争点は砂沼サンビーチ跡地と市民文化会館

今回の市長選で両候補が正面からぶつかったのは、下妻市を象徴してきた2つの施設の扱いでした。どちらも「かつてあったものが、今はない」という共通点を持っています。

2018年度限りで廃止された砂沼サンビーチ

砂沼サンビーチは、下妻市の砂沼のほとりにあった大型プール施設です。県営の砂沼広域公園の一部に位置し、土地は茨城県、施設は下妻市が所有するという形でした。2014年度以降は入場者数が目標としていた14万人に届かず赤字が続き、既存施設の大規模改修には約18億5,000万円の工事費が必要とされたことなどから、2018年度限りでの廃止が決まりました。

その後、県は跡地約5.2ヘクタールをアウトドア複合拠点として整備・運営する民間事業者を2021年に公募し、同年11月に「しもつま・まちづくり公社」を最優秀提案者に選定しています。キャンプ場やグランピング施設、アスレチック、温浴施設などを整備するという内容でした。ただし、その後の整備がどこまで進んだかについては、今回の選挙で両候補が「跡地の使い道」を争点として掲げていること自体が、決着していないことを示しています。

2020年に閉館した市民文化会館

もう一つの争点が市民文化会館です。2020年に閉館し、以後、市民がコンサートや発表会に使えるホールを失った状態が続いています。井上氏はこの会館について、改修を経ての早期再開を公約に掲げました。

両候補の主張を並べると、同じ材料に対する処方箋の違いがはっきりします。

論点 菊池博氏(当選) 井上誠氏(落選)
砂沼サンビーチ跡地 市民との対話や「市民とつくる検討委」を踏まえ、1年以内に方向性を示す プール整備などを通じたにぎわいの復活
市民文化会館 跡地問題と併せ、市民参加の議論のなかで扱う立場 改修を経ての早期再開
その他の公約 2期8年の実績の継続。「5年後、10年後を見据えて戦う」 砂沼での花火大会。企業経営で培った決断力と実行力
立ち位置 元職としての行政経験 「必要なのは新しいリーダー」

井上氏は出陣式で「砂沼サンビーチへの感動、市民文化会館で見たコンサートに『下妻で生まれて本当に良かった』と思えた。今はどうなのか。必要なのは新しいリーダー」と訴えました。一方、菊池氏を支援する市議からは「砂沼サンビーチを続けたら、中学校の給食費無償化などはできなかった」という発言も出ています。にぎわいを取り戻す施設に投資するのか、子育て世帯への現金・現物給付に回すのか。限られた財源の配分をめぐる、地方自治体らしい対立軸だったといえます。

Q. 砂沼サンビーチは復活するのですか。

A. プール施設としての復活が決まったわけではありません。当選した菊池氏は「プールを再建する」と約束したのではなく、市民との対話や検討委員会を踏まえて1年以内に跡地の方向性を示すという立場です。プール整備を明確に掲げていたのは落選した井上氏の側でした。土地は茨城県の所有であるため、市の意向だけで使い道が決まる構造でもありません。

この財源配分の議論の背景には、菊池氏が2期8年で積み上げてきた施策があります。

菊池氏が強調した「2期8年の実績」

菊池博氏は1962年生まれの64歳。中央大学理工学部を卒業後、税理士法人事務所に勤務し、2003年に千代川村議会議員として初当選しました。2006年の下妻市への編入合併後は市議会議員を務め、2018年3月の市長選で現職を破って初当選。同年4月から2026年4月まで、2期8年にわたって市長を務めています。

医療費・給食費の無償化

今回の選挙戦で菊池氏が前面に出したのが、この2期8年の実績でした。主な施策は次の通りです。

0〜18歳の医療費無償化
高校生年代まで対象を広げた子育て支援の柱

中学校の給食費無償化
選挙戦でも「サンビーチを続けたら実現できなかった」と対比された施策

出産祝い金に市独自の5万円上乗せ
国の給付に市単独で加算する形

第3子以降の保育料無償化
多子世帯の負担軽減

ふるさと納税の寄付額増
市財政の自主財源を厚くしたと主張

工業団地への企業誘致
施設整備と住宅施策を併せて進めた

並べてみると、子育て世帯への直接的な負担軽減に厚く配分してきたことがわかります。3月の選挙ではこの路線が262票差で否定された形でしたが、5カ月後には同じ実績を掲げて1,738票差で信任を得たことになります。

ふるさと納税と企業誘致

菊池氏は財政面についても、ふるさと納税の寄付額を伸ばして市の財政基盤を強めたこと、工業団地への企業誘致を施設整備や住宅施策と併せて進めたことを実績として挙げています。無償化施策を続けるには恒常的な財源が要るため、この2つは対になった主張です。

(編集部分析)注目したいのは、8年決まらない砂沼サンビーチ跡地の使い道が、市の意思だけでは決着しない構造にあることです。跡地の土地は茨城県が所有し、施設は市が持っていました。県が民間事業者を公募して選定した後も方向性が固まらないまま市長選の争点になり続けているという事実は、住民に最も近い自治体である市の判断が、県との調整という一段上の枠に縛られていることを示しています。地方の主体性を重んじる観点からは、住民が選んだ首長の任期のうちに決着をつけられる権限と財源の配分になっているかを問う価値があります。菊池氏が「1年以内に方向性を示す」と期限を切ったことは、その意味では検証可能な公約です。実際に1年後、市民が結果を確認できる形で示されるかが問われます。

1,738票差が示した下妻市民の選択

最後に、今回の1,738票差をどう読むかを整理します。3月の262票差と比べれば、票差は約6.6倍に開きました。

井上氏は「前市長の遺志を継ぐ新人」という立ち位置で、サンビーチ跡地でのプール整備と文化会館の早期再開という、目に見えるわかりやすい公約を掲げました。産経新聞の告示前の報道でも、この選挙の構図は「元職対、遺志継承を掲げる新人」の対決が軸と整理されていました。それでも票が伸びなかった理由は、公表データからは断定できません。ただ、3月に須藤氏が集めた8,621票のうち915票分が今回は井上氏に向かわなかったという事実は残ります。

(編集部分析)短期間に2度の投票を求められた有権者が、より安全な選択として行政経験のある元職を選んだ、という読み方は可能です。空白期間を最短で埋めるという観点では合理的な判断でもあります。一方で、3月にいったん「交代」を選んだ市民の意思が5カ月で反転した形になったことも事実です。だからこそ、菊池氏が自ら期限を切った「1年以内」という約束と、市民参加の検討委という手続きが、単なる選挙戦術ではなく実行されるかどうかが、この選挙の本当の答え合わせになります。有権者の側も、次の投票日ではなく1年後の実行状況で評価する姿勢が求められます。

なお、2026年は現職が敗れる地方選挙が各地で相次いでいます。山形県では「尾花沢市長選2026の結果|34歳・若林吾朗氏が5,060票で初当選、自民推薦の現職を1,996票差で退けた背景」のように、大差で世代交代が起きたケースもあります。

下妻市長選のよくある質問

ここでは、今回の下妻市長選について検索されることの多い疑問をまとめます。

Q. 下妻市長選2026(8月)の投票率はどれくらいでしたか。

A. 52.79%でした。当日有権者数は32,820人です。3月29日の市長選の投票率は52%だったため、ほぼ横ばいの水準です。

Q. 菊池博氏はどんな経歴の人物ですか。

A. 1962年生まれの64歳です。中央大学理工学部を卒業後、税理士法人事務所に勤務し、2003年に千代川村議会議員として初当選しました。2006年の下妻市への編入合併後は市議会議員を務め、2018年3月の市長選で初当選。同年4月から2026年4月まで2期8年、下妻市長を務めています。

Q. 井上誠氏はどんな人物ですか。

A. 57歳の無所属新人で、株式会社井上フードの代表取締役です。地元で人気のパン店を経営しており、選挙戦では企業経営で培った決断力と実行力、そして経営で示してきた管理能力を訴えました。市長選への立候補は今回が初めてです。

Q. なぜ2026年に下妻市長選が2回行われたのですか。

A. 3月29日の市長選で初当選した須藤豊次氏が、就任からおよそ2カ月後の6月15日に亡くなったためです。市長が任期途中で欠けた場合、地方自治体は改めて市長選挙を行う必要があります。7月26日に告示され、8月2日に投開票が行われました。

今後は、菊池氏が掲げた「1年以内に跡地の方向性を示す」という公約が実際にどう進むかが焦点になります。

参考情報

  • 選挙ドットコム「下妻市長選挙(2026年8月2日投票)」開票結果・投票率・当日有権者数
  • 選挙ドットコム「下妻市長選挙(2026年3月29日投票)」開票結果・投票率・当日有権者数
  • 茨城新聞クロスアイ「茨城・下妻市長選 元新の一騎打ち まちづくりで論戦スタート」(2026年7月)
  • 東京新聞「下妻市長選告示 元新2人の争い 来月2日投開票」(2026年7月)
  • 東京新聞「下妻市長選挙、須藤豊次さんが初当選 3選を目指す菊池博さんを262票差で破る」(2026年3月)
  • 産経新聞「『元職vs遺志継承掲げる新人』の対決が軸 市長死去に伴う茨城・下妻市長選」(2026年7月)
  • 日本経済新聞「茨城・下妻市長が死亡」(2026年6月)
  • 下妻市公式ホームページ「【訃報】下妻市長 須藤 豊次の逝去について」
  • 茨城新聞「砂沼サンビーチ跡地利用 県方針案に理解求める 下妻市が市民説明会」

この記事を書いた人:あいすべ(監修・編集統括)

健診・治験の現場で10年以上、臨床データの精査に従事。地方公務員として公立病院に勤務し、経営推進課の責任者を経てマーケターに転身。データ検証と実践哲学(葉隠)の両面から、情報のバイアスを見抜く視点で「大和帰郷」を運営しています。資格・経歴は実在し、求めに応じて証憑を提示できます。。

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