茨城県城里町の町長選挙が2026年8月23日に投開票され、無所属現職の上遠野修氏(47)が5394票を獲得し、4選を果たしました。無所属新人で元町議の金長秀範氏(53)は2853票で、票差は2541票。投票率は54.94%で、前回2022年の61.14%を6.20ポイント下回りました。当日有権者数は1万5194人です。前回は1153票差の接戦でしたが、今回は現職が得票を137票減らしながら、票差は2倍以上に広がりました。
この記事でわかること
- 開票結果:上遠野修氏5394票(得票率65.4%)、金長秀範氏2853票(同34.6%)。票差は2541票でした。
- 前回との違い:2022年は5531票対4378票で差は1153票。現職の得票は137票減った一方、挑戦者側が1525票減らしたため差が開きました。
- 投票率と有権者:投票率54.94%は前回比6.20ポイント減。当日有権者は4年で1143人減っています。
城里町長選挙2026の結果|当選者は上遠野修氏、得票は5394票
当選したのは無所属現職の上遠野修氏(47)です。5394票を集め、新人の金長秀範氏(53)の2853票を2541票差で退けました。
選挙は2026年8月18日に告示され、23日に投開票されました。立候補したのは2人で、現職と新人による一騎打ち。茨城新聞によれば、現職による町政の継続か、新人による町政の刷新かが論戦の中心でした。投票は23日午前7時から午後6時まで町内13カ所で行われ、開票は午後7時半からコミュニティセンター城里(石塚)で始まっています。
まず、確定した開票結果を一覧で示します。
| 候補者 | 年齢 | 党派・新旧 | 得票数 | 得票率 |
|---|---|---|---|---|
| 上遠野修(当選) | 47 | 無所属・現職(茨城維新推薦) | 5,394票 | 65.4% |
| 金長秀範 | 53 | 無所属・新人(元町議) | 2,853票 | 34.6% |
得票率では約31ポイントの開きがあります。2人の票がどう分かれたかを、そのまま横幅で示します。
得票の分かれ方(有効投票8,247票)
有効投票は両候補の得票を合計した数(本記事の計算)。差は2,541票、得票率にして30.8ポイント。
得票数は上遠野修氏5394票、金長秀範氏2853票
2人の得票を足した有効投票は8247票です。上遠野氏が65.4%、金長氏が34.6%を占め、差は2541票になりました。
当日有権者1万5194人に投票率54.94%を掛けると、投票者数はおよそ8347人と計算できます。有効投票8247票との差はおよそ100票で、ここに無効票や白票、持ち帰りが含まれます。ただしこれは公表された投票率と有権者数から本記事が逆算した概算です。投票率が小数第2位までしか公表されていないため、実際の投票者数は数人前後する可能性があります。正確な無効票数は町選挙管理委員会が公表する確定数値を確認する必要があります。
参考までに、前回2022年は投票総数9988票、有効投票9909票、無効投票79票(うち白票29票)と町が公表しています。同じ比率であれば、今回の無効票は60票台に収まる計算になりますが、今回分は本記事の執筆時点で町の公表を確認できていません。
投票率54.94%は前回を6.20ポイント下回った
投票率は54.94%で、前回2022年の61.14%を6.20ポイント下回りました。当日有権者数は1万5194人です。
ただし、これは城里町の投票率がずっと下がり続けているという意味ではありません。2018年の町長選は43.38%で、2022年はそこから17.76ポイント上がっています。直近3回の推移を並べます。
城里町長選の投票率(直近3回)
帯の長さは投票率そのもの。2022年は前回比17.76ポイント増、2026年はそこから6.20ポイント減。
3回とも選挙戦になっており、無投票の年はありません。2022年が高かったのは、現職と前町議が競り合う接戦だったためとみられます。
投票率が下がった選挙は各地で起きています。宮城県では石巻市議会議員選挙2026が投票率44.58%で過去最低となりました。
ここで、4期目に入る上遠野氏がどういう立場の人物なのかを整理します。
4選した上遠野修氏はどんな人物か
東京大学経済学部を出て大林組と楽天に勤め、衆院議員の政策担当秘書を経て2014年に町長となった47歳の現職です。
1978年9月20日生まれで、水戸市の出身。茨城県立水戸第一高校から東京大学経済学部へ進みました。町長就任前は桂ふるさと振興センターの代表取締役を務めています。茨城新聞は告示時の経歴を「桂ふるさと振興センター代表取締役、元IT企業社員、衆院議員秘書、建設会社社員、東京大卒」と伝え、出身地を町内の那珂西としています。
2013年に落選し、2014年に初当選した
町長選への初挑戦だった2013年は得票率30.4%で落選し、翌2014年の選挙で65.0%を得て初当選しました。
その後は2018年に86.5%、2022年に55.8%で当選を重ね、今回が4回目の当選です。1度落選してから12年間、町長を務めてきたことになります。これまでの選挙結果を並べます。
| 投開票 | 結果 | 得票率 | 投票率 |
|---|---|---|---|
| 2013年2月17日 | 落選 | 30.4% | ― |
| 2014年9月21日 | 初当選 | 65.0% | ― |
| 2018年9月 | 再選 | 86.5% | 43.38% |
| 2022年8月28日 | 3選 | 55.8% | 61.14% |
| 2026年8月23日 | 4選 | 65.4% | 54.94% |
得票率だけを見ると、2018年の86.5%を頂点に2022年で55.8%まで下がり、今回65.4%へ戻した形です。「―」は本記事で確認できなかった数値を示します。
今回は茨城維新の推薦を受けて戦った
上遠野氏は無所属で立候補し、地域政党の茨城維新から推薦を受けたと茨城新聞が報じています。
対する金長氏も無所属で、政党の推薦は報じられていません。掲げたスローガンは「継続は力なり」。3期12年で積み上げた財政健全化と高齢者福祉の充実を実績として強調し、公約には子育て支援のトップランナーとしての継続、高齢者福祉の充実、農業基盤整備と農家支援を挙げました。選挙戦では町中心部のにぎわい創出、商工業・観光の振興も訴えています。
当選後には「住みたい町と言われる城里町をつくることを目指し、全力で仕事を行う」と述べたと報じられました。
4期目に入る首長は各地にいます。同じ8月には、青森県で鶴田町長選で相川正光氏が2263票差で4選を決めました。一方、福岡市の高島宗一郎市長は4期16年で不出馬を表明しています。多選をどう扱うかは町ごと、市ごとに判断が分かれています。
なぜ現職は得票を減らしながら票差を広げたのか
現職の得票は前回より137票減りましたが、挑戦者の側が1525票減らしたため、差は1153票から2541票へ広がりました。
票差だけを見ると「現職が支持を伸ばして圧勝した」と読めますが、実際の数字はそうではありません。前回と今回を並べて確認します。
| 項目 | 2026年8月23日 | 2022年8月28日 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 当選者 | 上遠野修(47・現職) | 上遠野修(43・現職) | 同じ |
| 当選者の得票 | 5,394票 | 5,531票 | −137票 |
| 次点の得票 | 2,853票(金長秀範) | 4,378票(河原井大介) | −1,525票 |
| 1位と2位の差 | 2,541票 | 1,153票 | +1,388票 |
| 候補者数 | 2人 | 2人 | 同じ |
| 投票率 | 54.94% | 61.14% | −6.20ポイント |
| 当日有権者数 | 15,194人 | 16,337人 | −1,143人 |
候補者数も構図も同じ一騎打ちで、変わったのは票の総量です。次に、その内訳を見ます。
前回2022年は1153票差の接戦だった
2022年は上遠野氏5531票、新人の河原井大介氏4378票で、差は1153票でした。
今回の2541票差はその約2.2倍にあたります。河原井氏は当時42歳の前町議でした。2022年の得票率は上遠野氏55.8%で、有効投票9909票のうち4割超が挑戦者に流れていました。今回の挑戦者の得票率は34.6%で、9.6ポイント下がっています。前回の河原井氏は前町議、今回の金長氏は元町議で、いずれも町議会出身という点は共通しています。
ただし、報道が伝えているのは票の数と両候補の公約までです。前回の挑戦者に入った票が今回どこへ動いたかは公表された数字からは分かりません。ここでは「挑戦者側の得票が1525票減った」という事実にとどめます。
有権者が4年で1143人減り、投票者数は約1641人減った
当日有権者は1万6337人から1万5194人へ1143人減りました。投票者数も約1641人減っています。
投票者数は前回の9988人から今回は約8347人になった計算です。有権者の減少幅は7.0%。これに投票率の6.20ポイント低下が重なったため、投じられた票そのものが約16%減りました。両候補の得票を足した8247票は、前回の有効投票9909票を1662票下回っています。
票差が広がった直接の原因は挑戦者側の得票減ですが、その背景には「投票所へ足を運んだ人の総数が減った」という土台の変化があります。現職の得票が137票減にとどまったのは、支持層が動いたというより、固い票が残ったと読むほうが実態に近いとみられます。
Q. 有権者に占める上遠野氏の得票の割合はどれくらいですか。
A. 当日有権者1万5194人に対して5394票なので、絶対得票率は35.5%です。前回は1万6337人に対して5531票で33.9%でした。得票率は10ポイント近く上がっていますが、有権者に対する割合はほぼ横ばいです。
新人の金長秀範氏は何を訴えたのか
町政の刷新です。「地元から挑戦 新しい城里へ」を掲げ、独自財源の確保と町長室の開放を公約に据えました。
金長氏は53歳、町内の錫高野の出身で、流通経済大を卒業しています。茨城新聞が伝える経歴は、桂村役場職員、携帯電話ショップ店員、元町議(当選1回)。合併前の旧桂村の役場に勤めた経験を持つ候補です。
告示時に掲げた公約は3つで、各地域や年代別・会社や個人から話を聞くこと、歳入と独自財源の確保、強い組織づくりと町全体の強化でした。財源をどう確保するかという点で、現職が実績として挙げた財政健全化とは切り口が異なります。
結果として2853票を得ましたが、当選には届きませんでした。町議1期の経験を土台にした挑戦だった点は、2022年に4378票を集めた前町議の河原井氏と対照的です。
城里町はどんな町か|3町村合併から21年、人口は20年で2割減
2005年に常北町・桂村・七会村が合併してできた東茨城郡の町です。国勢調査で見ると人口は20年で約2割減りました。
合併は2005年2月1日。当時の広報しろさとが示す3町村の合計人口(2000年国勢調査)は2万3007人でした。町が公表している国勢調査の数値では、2020年10月1日時点の人口は1万8097人(6913世帯、男8913人・女9184人)です。20年間で4910人、率にして21.3%減った計算になります。
今回の当日有権者1万5194人という数字も、この流れの中にあります。前回から1143人減ったのは、転出だけでなく高齢化に伴う自然減が効いているとみられますが、内訳は町の人口動態を確認する必要があります。
(編集部分析)平成の大合併から20年が過ぎ、合併で生まれた町の多くが人口減と投票率低下という同じ課題に直面している。城里町の場合、有権者は4年で7%減り、投票に行った人はそれ以上の割合で減った。ここで問うべきは「誰が得をしたのか」である。合併は行政コストの削減を掲げて進められたが、結果として役場が遠のき、地域の意思決定に参加する実感が薄れたとすれば、住民が払った代償のほうが大きい可能性がある。町長選が一騎打ちになり、それでも投票率が55%にとどまったという事実は、制度の効率よりも共同体の担い手をどう残すかが問われている段階に来たことを示している。財政健全化を実績に掲げる現職が4期目に入るいま、数字の健全さと町の存続はどちらも譲れない目標として並び立つ。
茨城県内では他の市長選でも同じ論点が出ています。石岡市長選2026では戸井田氏が262票差で初当選し、下妻市長選2026では菊池博氏が1738票差で返り咲きました。同じ8月23日には新潟県で聖籠町長選挙が9票差の決着となっています。
よくある質問
Q. 城里町長選挙2026の当選者は誰ですか。
A. 無所属現職の上遠野修氏(47)です。5394票を獲得し、2853票の金長秀範氏(53)を2541票差で破って4選を果たしました。
Q. 投票率と当日有権者数はどれくらいでしたか。
A. 投票率は54.94%、当日有権者数は1万5194人です。前回2022年の61.14%を6.20ポイント下回りました。
Q. 上遠野修氏はどの政党の推薦を受けていましたか。
A. 立候補は無所属で、地域政党の茨城維新から推薦を受けたと茨城新聞が報じています。対立候補の金長秀範氏も無所属で、政党推薦は報じられていません。
Q. 前回2022年の選挙結果はどうでしたか。
A. 上遠野氏が5531票、新人で前町議の河原井大介氏が4378票で、差は1153票でした。投票率は61.14%、当日有権者は1万6337人。町の公表では投票総数9988票、有効投票9909票、無効投票79票(うち白票29票)です。
Q. 新しい任期はいつからですか。
A. 任期満了に伴う選挙のため、現在の任期が満了した翌日から4年間となります。茨城新聞は2022年の3期目について「任期は9月21日から4年間」と伝えており、4期目もその満了後からとみられます。具体的な就任日は町の公表を確認してください。
参考情報
- 茨城新聞クロスアイ「【更新】茨城・城里町長に上遠野氏 新人破り4選 「住みたいと言われる町つくる」」(2026年8月23日)
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=1787484133883100 - 茨城新聞クロスアイ「【速報】茨城・城里町長選告示 現新一騎打ち 刷新か継続巡り論戦」(2026年8月18日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f625e48472d1e19fa869fef888b4342bbee28cf - 選挙ドットコム「城里町長選挙(2026年8月23日投票)」
https://go2senkyo.com/local/senkyo/26387 - 選挙ドットコム「城里町長選挙(2022年8月28日投票)」
https://go2senkyo.com/local/senkyo/22190 - 城里町「城里町長選挙(届出状況、投開票状況)【R4.8.28執行】」
https://www.town.shirosato.lg.jp/senkyo/senkyonokiroku/page005704.html - 城里町「世帯数及び人口(国勢調査)」
https://www.town.shirosato.lg.jp/gyousei/machinosyoukai/toukeishiryou/jinkou/page000081.html - 城里町「広報しろさと2005年8月号」(合併市町村の人口一覧)
https://www.town.shirosato.lg.jp/data/doc/1267071785_doc_548_2.pdf
